こんにちは!きらなみです。
前回、元音楽関係の仕事をしていた私が、レコード会社における「A&R」という職種はどんな仕事をしているのか?
という記事を書かせて頂いたのですが、
結構みなさんに読んでいただけたみたいでした!
今回は、アーティストが出演する「音楽番組」の裏側を、A&R目線でお伝えしたいと思います!
お好きなアーティストがいらっしゃるかたは、
その方を想像しながらご覧頂くと、妄想が膨らむと思います!
音楽番組本番までの流れ
※あくまで、私がやっていたやり方だったりするので、A&Rや、レコード会社でやり方が異なる場合がありますので、一例としてご覧下さい!!

毎月、たくさんのリリースがあるんですが、正直そこそこのネームバリューが無いと、音楽番組への出演は難しい場合が多いです…
ルーキーで取り扱ってくれる番組もあったりしますが、その場合は地方でやっている音楽番組や、番組内のルーキー枠に出させてもらうか、ちょっとしたコーナーものへのコメント出演だったりもします。
自分が、A&Rとして、どのアーティストを担当するかにもよりますが、担当するアーティストが、ブランディングとして「テレビ番組への露出はない」という人とかだと、LIVEだけで見せていくとか、他の方法で考えないといけないです。
それでは、音楽番組が決定するまで、まずはこの作業をします。

【社内の宣伝部に向けてプレゼンをしよう】
宣伝部の会議に出させてもらって、プレゼンをします。
・新曲が完成するタイミングを伝えよう!
・狙いたい音楽番組を伝えよう!
この辺りは必須です。
これ以外の話は、各宣伝担当へ個別に話したりします。
楽曲のレコーディングが終わり、その時にレコーディングエンジニアさんへ、楽曲として「マスタリング」(完成音源)という作業をする前の音源「final mix」(マスタリングの一歩手前の音源)という段階のものを仕上げてもらい、まずはそれを宣伝部へ共有します。
そうすると、宣伝部が、音源を利用して各局の音楽番組のプロデューサーへ番組出演の交渉をしに行ってくれます。
そして、宣伝部の皆さんのご尽力により、見事に音楽番組への出演権を得たとします!

音楽番組本番へむけて、リハーサルをしよう
番組の偉い人とかに、
「今回はこの曲をやってほしい」
「今回の番組はこんなテーマだからテーマに合う曲にしてほしい」
など、色々言われたりしますが…こちらとしても新曲は絶対やりたいので、こちらの意見もある程度、担当宣伝部を通して伝えて、当日の楽曲を決定します。
本番は、特に生放送は失敗は許されないので、スタジオに入ってリハーサルします。
ダンスボーカルブループを担当すると、振り付けの先生にもきてもらったり、当日メドレーを披露する場合は、音源のエンジニアさんへメドレー用にオケを作ってもらったりして、それをリハーサルの時に流して、踊ったりします。
これは、もう練習あるのみ、です!
いよいよ番組本番当日!
現場へはタイムスケジュール通りに入ろう
本番当日です。
当たり前の事ですが、遅刻は許されないので、番組側が用意しているタイムスケジュール通りに現場へ入ります。
リハーサルの時も、持ち時間分は一生懸命パフォーマンスします。
衣装は、本番直前に着る人もいるので、その場合は、スタイリストさんが衣装を高く持ち上げて同じステージに立ちます。
あとは、番組スタッフの流れにそって、リハーサル・本番、とこなしていきます。
本番までの時間の間、アーティストは何してるの?
本番までの間は、メイクはもちろん、衣装に着替えたりしますが、番組によっては結構待ち時間があるため
・お弁当食べる
・寝る
・ゲームする
・スマホいじり
・楽器弾いてたりする(バンドの場合)
・ダンスの練習(ダンスグループの場合)
・衣装のフィッティング(時間がないアーティストとか)
・ファンクラブ取材
あとは、上下関係がある社会なので、後輩が先輩の楽屋に挨拶に行ってる風景を見たり、リリースしたCDを同じ出演者のアーティストに挨拶しながら渡してる光景も見ますね。
とにかく、本番までは相当自由です!

本番直前、番組によってはスタジオ外で見守る事も。
私たちのチームは、本番は楽しんでやる!というという事を信念にしていました。
アーティスト本人が楽しまなければ、見てる人にも伝わらない、と本人たちも思っていたと思います。
ただ、カメラの数もすごかったり、番組側のスタッフも人数多いし、スタジオもそんなに広いところで無い場合は、レコード会社の関係者や事務所関係者は、楽屋のロビーで見たりする場合もあります。
例えば、幕張メッセホールなどでやる大きな番組とかは、待機場所が舞台裏にたくさんあるので、そこで見てたりする場合もあります。
あとは、スタジオのサブに行って、番組のPA担当者さんの後ろに立って見ます。理由としては、A&Rは音の責任者でもあるので、
「ギターが大きすぎないか?」
「ベースが大きすぎないか?」
「ボーカルと楽器の音、オケの音のバランスはいいか?」
などを確認します。
何かのバランスがよく無いと思ったら、PAさんへお伝えして調整してもらいます。

おつかれさまでした!本番終了
片付けて、さくっと帰ろう!
本番が無事終わり、番組としてもエンディングをむかえて終わると、終了。
おつかれさま!
という感じになります。
本人たちが楽屋に戻ってきた時、アーティストにもよると思いますが、あそこがよかった、ここが悪かった、みたいにちょっとした反省会が繰り広げられたりします。
とはいえ、メイクも落として衣装も着替えて、部屋も片付けないと番組のスタッフさんや、スタイリストさん、ヘアメイクさんも早く帰る事ができないので、長引きそうになる場合は、
早く帰り支度しようねー、メイク落とそうねー衣装着替えようねー!
と促します…^^;
もちろん、早く帰り支度をしないといけない理由(上記)も伝えます。
「あ、そっか!」と本人達にも理解してもらわないといけないので。
ベテランのアーティストは帰りが結構早かったりもするので、
あぁ…やっぱり理解してくれてるんだな、スタッフの事、と思う時もありますが、デビューしたてのときなどは、本人達が気づかないこととかも含め、教えていく場合もあります。これもA&Rの仕事だったりします。
まとめ
さて、今回はA&R目線の「音楽番組の裏側」をお伝えしてきました!
お好きなアーティストで想像していただけたでしょうか?
私のこの記事以外にも、当日やる事は多岐に渡るので、一部の情報ではありましたが、雰囲気はお分りいただけたのではないかと思います。
レコード会社のA&R、おもしろいですよー!
普通に仕事をしていたら経験出来ないような事がたくさんあります!!いろんな意味で!w
音楽番組の現場では、いろんなレコード会社のスタッフさんとも交流できるし、アーティストと「音楽番組に出る!」という夢のひとつを実現した事で、一緒に喜びを感じられます!
今回も長くなりましたが、終わりますー!
今回は「音楽番組」全般でお話しましたが、特定の番組をあげて書いてもおもしろいかもしれないな、と思いましたw果たしていいのかどうかわからないけれど…!
それではまた次回!