こんにちは!きらなみ(@kiranamialoha)です。
本日は「元レコード会社A&R」として、仕事としてやっていた事のひとつ「スチール撮影」について書いていきたいと思います!
私的には、1番好きな仕事でした!
レコード会社でのスチール撮影は、多くの意味はアーティスト(ここでは、ミュージシャンの事)の写真を撮影する事です。
撮影日を決めて、1日スタジオで撮影します。(スタジオとは限らない場合もあります)
撮影までの準備や、撮影当日の状況、空き時間アーティストはどんな事をしているか?などを書いていきますので、読み物のひとつとしてご覧下さい☆
今回の記事も、お好きなミュージシャン、アイドル、声優さんなどを思い浮かべながら読んで頂くと、色々な妄想が出来るのではないかな、と思います!
この記事を読んでいただくと、「こんな風に私(僕)の好きなアーティストたちはスチール撮影しているんだ!」と妄想をして頂けます。
また、レコード会社のA&Rを目指している!というかたにとっては、こんな仕事もあるんだ、撮影当日までにはこんな段取りを組んでいくのか、という事を理解して頂けます。
※私が実際行っていたやり方ですので、これが絶対ではないです。こんな風にやってた人もいるんだ、という暖かい目でみて頂けたらありがたいです。
スチール撮影を行う場合とは?
いくつかの場合があります。
- アーティストのプロモーション(宣材)写真を撮影したい時
- CDやDVDなどのジャケットやブックレットなどの中身を制作する時
- ビジュアルブックなどを撮影する時(例えばCDの特典につける小さい写真集とかなど…)
- カレンダーなど、アーティストを使ったグッズなどを作る時
※雑誌の取材時する撮影は省いています。
今回は、スチール撮影をするシチュエーションとして「新曲をリリースする場合」という事でお話をしていきたいと思います。
撮影当日までの準備
撮影のイメージを決定していこう!
新曲用のジャケット撮影の場合、新曲のコンセプトや雰囲気があると思います。
このタイミングである程度、曲も出来上がっているので、カメラマンさんやデザイナーさん、メイクさんや衣装さんに音源を渡して聴いてもらいます。
一方、A&Rとアーティストは、楽曲をイメージして、どんな場所で・どんな雰囲気で・外がいいのかスタジオ撮影がいいのか・小道具や簡易セットは必要か?など、考えられる事をあげていきながら、色々とコンセプトを作っていきます。
ある意味、一番ワクワクする時です!
もちろん予算は決まっています。ですが、私はこういう時は一旦予算を考えずに、やりたい事をあげて行く感じにしていました。
そこからやれる事をピックアップしていって決めていく感じでした。
予算内でやれる事を全部やりたかったというワガママでした…(笑)
デザイナさんーとカメラマンさんに情報共有しよう!
やりたい事、どんな写真を撮影してほしいか?など、共有していきます。
その際に、先に出たように作って欲しい小道具があった場合や、必要な小物などがあるようでしたら用意してもらいます。
どんな雰囲気のジャケットにしたいか?も含めて事前に話せるとデザイナーさんやカメラマンさんは把握してくれるので、当日の仕事の流れが早くなります。
イメージも、「こんな感じ!」とやって欲しい雰囲気の画像などを見せると、より一層伝わりやすいのでおすすめです。
衣装は製作?レンタル?
これも、撮影のイメージが決定したら決めていく部分です。
レンタルであれば、衣装さんに伝えたらある程度の期間で集まりますが、製作となると、デザインからやるので、1からの作業になります。少なくとも2ヶ月は余裕をみておいた方がと思います。フィッティングをして調整しながら完成させます。
とはいえ、作り衣装で、裾の処理だけとか細かい部分だったとすれば、撮影の時は仮止めなどでも出来ます、が、最低でも撮影日にはそこのレベルまで完成しておかないといけません。
CDジャケットの場合は、発売日から逆算して物事を計算していかなくてはいけないので、衣装製作についても、早めにどんな方向性でいくか決めたいところです。
ヘアメイクさんにもイメージ共有!
ヘアメイクさんにもイメージを共有します。
アーティストのコンセプトによっては、作り込まないといけなかったりする部分です。
うすいメイクの人もいるので、そういうかたは比較的軽い打合せでいいかと思います。
作り込む系の人は、ヘアメイクにつかう小物なども必要になりますので、予算をだいたい伝えて、それに合うイメージ通りの小物を買ってきてもらったりします。
ヘアメイクさんも手先が起用なので、色々と当日までに小物を作ってきてくれたりしますよ!
撮影日当日の流れ
撮影現場にデザイナーさんとカメラマンが到着して、小物類や、照明などセッティングなどが始まり、準備が進んでいく感じです。
アーティストが到着したら、メイクと着替えをしてもらいます。
現場が整い次第撮影開始です。
私がスチール撮影の時に気をつけていた事は、
- 男女混合グループの時は、女子から撮影
- 素材はたくさん欲しいので、なるべくならいくつかのパターンを撮影してもらう
女子から撮影する理由は、前のMV撮影の時にも書きましたが、顔に疲れが出てきてしまうので、早めに終わらせてあげていました。
素材の多さに関しては、何点かの写真をいろんなものにやりくりしたいからです。
例えば、CDのジャケット・ブックレットの中身、アーティスト写真(グループ、個人)、カレンダー、ノベルティグッズ、ファンクラブ用のグッズなどにです。
予算があるチームは、いろんな写真をいろんな場所で撮影できるかもしれないですが、せっかくの機会なので、いっぱいいろんなパターンで撮影してもらっていました!
その後、色々なやりくりで商品制作などもしていました。
もちろんデザインはその都度変えて、同じ時に撮影した写真だと思われないように、工夫しました!
撮影自体は、結構早めに終わる時もありますし、ライティングの調整があったり、小道具を変えたりする場合はその時間も加味すると少し長くなりますが、7時間もあれば終わるはずです。
撮影中のアーティストはどんな表情?
着替えてメイクしたまま待機してます。
待機時間は、お弁当を食べたり、携帯いじってたり、漫画読んだりなどでくつろいでます。仲間とお話したり、電話してたり、携帯ゲームしてたり、雑誌読んでたり、筋トレしてたり、メイク直しをしていたり、音楽聴いてたり…
本当にいたって普通です。
特に何もおもしろい事をかけなくてすいません!ですが、本当にこんな感じで、普通に過ごしてるので、何も変わった事がないんです^^;
あ、ファンクラブがあるアーティストの場合は、ファンクラブ担当のかたたちが取材をしに来てたりしますね。
会報用などで「スチール写真撮影に密着!」みたいなページを作ったりするので、ファンクラブ担当者にインタビュー受けてたり、動画撮影されていたりなどはしています。
撮影終了!カメラマンさんから素材を受けとります
撮影が終了したら、カメラマンさんから素材を受け取ります。
当日受け取ってもいいですし、目を閉じてたりする写真などもあるので、そういうのを精査していただいたものを後日受け取ったりします。
その中から「これ!」という写真を選んでいきます。
枚数が千枚くらいとかだと、ものすごい作業量になりますが、仕事なので頑張って選んできます!
選んだものを、デザイナーさんに渡して、素材をどのように料理するか…という感じで、A&Rとデザイナーさんで打ち合わせをして、今後の作業を進めていきます。
まとめ
以上、スチール撮影の現場について記事にしてみました!
A&R自体は、新曲のリリースの場合はこれと同時進行で、レコーディング、MV撮影、CDジャケット制作などもしていかないといけないので、スケジュール調整をするのがめちゃくちゃ大変です。
でも、ひとつひとつ仕上がっていくのを見ていくのは本当に楽しいです。この作品を待ってくださるファンのかたがいると思うと、とてもやりがいがあります!
それでは今回の記事はおしまいです!
また別の機会に、A&Rについての仕事や経験談も書いていきたいと思いますので、よろしければご覧くださいませ!


